明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
第2回目にして最終回の釜山通信です。
今回は、ヘウンデという海辺のまちで私の携帯電話が鳴り、その会話が何年たっても印象深く心に残っているので、その話を書きます。
でもその前に、少しだけ釜山の思い出話をします。
釜山は港町です。私が住んでいたタルマジ(コゲ)から港町へ行くには、バスで結構かかります。たまに遊びに行くと、偽物が沢山あって何だか本物みたいに見えてくるし、屋台も沢山あって面白い。衝撃的だったのが、目ぬき通りにあるイカの辛味噌あえみたいのを売っている屋台で、その買い物通りに行くと、おやつ代わりに食べるのですが、なぜその屋台で食べるのかといえば、屋台のおばさんが道行くひとにお箸を差し出すのです。
お箸を差し出されると、受け取ってしまうので、断るとか受け取らないとか、そういう選択肢は最初から無かったように記憶しています。食べたいとか食べたくないとか、そういう話は通用しなくて、このおばさんからお箸を差し出される、すなわち選ばれてしまったら、食べなきゃいけない。そして、この街へ来る最大の楽しみは、スンドゥブチゲです。
スンドゥブチゲはお豆腐が入ってる辛いスープでアサリやら魚介も入っています。
これに白米で最高のご馳走。場所はどこだか忘れましたが、人が一人通れるような階段を上がり、2階にありました。狭い店内か、広い店内かも忘れましたが、とにかく人ひとひと。極貧韓国生活の私には嬉しい、超ちょうお値打ちスンドゥブ。250円くらいだったような。そして美味しい。辛くて、魚介の味もして、グツグツしてる。
釜山(韓国)には、沢山の飲食店があり、専門店が多いです。おうどんならあの店、お刺身ならあの店、お冷麺ならあの店、おポッサムならあの店、おサムギョプサルならあの店。と、私の周りの韓国人の友人たちは自分のお気に入りのお店を沢山持っていました。
私もお気に入りのお刺身屋さんと、サムギョプサルと、冷麺のお店があります。
行きつけのおでんの屋台だって!冷麺といえば、みなさんが想像している冷麺とは、おそらく違う冷麺が釜山にはあって、「ムルネンミョン(水冷麺)」と言います。
これが、本当に美味しくて、釜山の名物です。新大久保にあるかなと思って、何度も何度もネットで検索するのですが、出てきません。釜山のムルネンミョンが食べられるお店をご存知の方は教えてください。
そして私の生活ですが、私は韓国語学校に通いながら、地元の中学生の夏休みの選択授業で、日本語を教えていました。その頃、私は中学生たちの通学路にあるアパートに住んでいたので、毎日、道路から「先生いるー?」と大声で叫ばれていました。
ずっと無視していました。中学生たちはとても可愛くて、一度、うちへみんなが遊びに来
て、私の妹が作ってくれたカレーを食べ、お菓子を食べ、ゲームをして遊びました。また、家の近くの日本語学院でも、自分の韓国語学校に行く前と、学校から帰ってから、日本語を教えに行っていました。大概の韓国人はとても勉強熱心で、塾などへ毎日通うのです。
毎日毎日仕事に行く前や仕事の後に。信じられない。
私は毎朝の授業と、夜の授業を週何回か受け持っていた記憶があります。
この毎朝の授業の私がひどい。本当にひどい。朝、6時半くらいからの授業で、会社に行く前の若い社会人一人の教室でした。その日本語塾と私の家は全速力で2分だったので、5分前に起きて、パジャマの上からシャカシャカパンツを履いて、パーカーを着て、教科書持って走って行きます。で、授業内容がひどい。「はい、じゃあここからここまで読んでください」と言ってひたすら音読してもらい私はこっくりこっくり。
で、1時間どうにか過ごして、ダッシュで家に帰り、ちゃんとした洋服に着替え、顔を洗い、歯を磨いて、駆け足でバス停に向かい、自分の韓国語学校に行きます。
そうそう、思い出しました。新しいアパートは、一階にコンビニが入っていて、アパートの入り口横には交番がありました。中学生が家に遊びに来た時に、私の妹が中学生に呼び出され一緒にコンビニに行っていました。
後から聞いたら「さおりは何歳だ?」「タバコ買ってこい」と言われていたそうです。
わははははは。
タバコの代わりに梨のアイスを食べたそうです。妹のことでもう一つ思い出しました。
妹がアパートの入り口で、中学生くらいの子に「お金をくれ」と、カツアゲされそうになり「なんで?」と聞くと「チムジルバン(健康ランドみたいなところ)行くから」と。
交番の前だったので「交番でもらえ」と言ったそうです。妹はいつだって頼りになります。
韓国人からの電話の話を書くつもりが、色々と思い出し、長くなったので、その話は次回にします。また釜山に行きたいな。
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